本郷駅前校便り

公立学校教員採用試験倍率低下について

教員採用試験、受験者数、採用者数、倍率の推移

全国公立教員採用試験の採用人数、応募人数、倍率などが発表ました。文科省https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/senkou/1243155.htmをはじめ、様々なデータによると、2000年をピークに低下傾向が続いているとのことです。
倍率が低い県は北海道、福岡県、長崎県、熊本市で、それぞれ2024年の倍率は1.2倍で、大変低い倍率となっています。

名古屋市の場合はどうでしょうか。

(小学校)    (中学校・各教科の平均)
令和7年度3.6倍  令和7年度4.7倍
令和6年度2.2倍  令和6年度5.7倍
令和5年度2.6倍  令和5年度4.5倍
令和4年度2.7倍  令和4年度4.9倍
令和3年度2.8倍  令和3年度4.3倍
令和2年度3.8倍  令和2年度5.1倍

本年度の小学校については、昨年度比で3.6倍と上昇。中学校は平均4.7倍となっています。2000年度のデータを見たところ、小学校は12.5倍、中学校は17.9倍と本年度の倍率がいかに低いか一目瞭然です。

倍率低下の要因は

低下の要因は、教員のブラックな勤務状態であると報道されたことではないかと推測します。
「残業代が出ない」「部活動の顧問業務のために休日がほとんどない」ことや、モンスターペアレンツ(最近はモンペと言われるそうです)の対応など、ストレスフルな勤務実態が様々な形で知られるようになり、教員を志望する学生が減少してきたのでしょう。
「学校の先生になりたい」という大学生には、倍率が低いことは有難いことかもしれません。その半面、「学力・意欲が高い大学生」が、他の業種に流れてしまっている可能性は否定できないと考えます。
もはや、教職は「聖職」とは誰も思っていないでしょうが、少なくとも「プロフェッショナル」であるべきでしょう。担当教科の知識が豊富であり、分かりやすい授業やアクテブラーニングの手法などを身に付け、学級内での人間関係などのトラブルへの対処ができる方に教職についてほしいと思います。「サラリーマン教師」は増えてほしくないと強く思います。

小中学生への影響は

さて、倍率の低下によって、小中学生にどのような影響があるのでしょうか?
〇 授業が下手な(できない)教師が教壇に立つ。
在職中(私は中学校でした)管理職として保護者様から様々な苦情をいただき、対応した中に、明らかに 「技量不足」「努力不足」のケースがありました。中には「(社会科で)時差を教えることができない」「(理科で、予備実験を十分にしていないため)実験がうまくできない」教師もいました・・・。
また、近年の学習指導要領が改正により、多くの教科で学習内容が増えましたが、授業時間はそれほど増加してはいません。そのため、各教科の授業進度は早く、生徒が理解できるまで十分に指導することがより困難になっていることでしょう。
〇 生徒指導ができない教師が学級担任になる。
「いじめ」「不登校」「友人間のトラブル」の指導が難しい教師が学級担任となってしまうことでしょう。周りのベテラン教師からの助言や経験を積むことで指導力が徐々に高くなるでしょうが、積極的に研修に参加してカウンセリングを学ぶ、グループダイナミクスを学ぶことがなければ、経験以上の指導力はなかなか向上しないでしょう。
もちろん、教育委員会は様々な研修を施し、教職員評価制度もあります。この制度が十分に機能し、教師の力量が大幅に高まることを期待しています。